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2016. 04. 19  
ブログって、一回筆が止まるとなかなか進まなくなるものですね。
今日は重い腰を上げて、たまには、ただ浅野祥雲の像を見に行く記事でも。

愛知県の知多半島に、「まるは食堂」という、海老フライでよく知られた飲食店があります。
その駐車場に、浅野祥雲の像があるそうです。

以前から行きたかったのですが、知多半島の先端に行く機会がなかなか無く、二の足を踏んでおりました。

が、今回、思い切ってまるは食堂にあるというコンクリ像をハンティングしに向かってみました!

しかし・・
まるは食堂近辺には来たものの、どうにもお目当のコンクリ像が見当たりません。
事前にインターネットにも「見つからなかった」「無くなってしまったのでは」という情報があったのですが・・・。
そこで、まるは食堂の本館の受付で聞き取りしてみました。
しかし!受付の方もコンクリ像の存在は知っているものの、細かい場所がうろ覚えの様子。奥に入ってご存知の方に聞いてくださいました!ありがとうございます。

教えていただいた場所の通りに行っても少し迷いましたが・・・

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見つかりました!!
詳しい場所は割愛しますが、結構見つけにくい場所にあります。

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見事な恵比寿様と、

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大黒様!

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俵に型どられた燃える宝珠(?)の造形、祥雲作品の特徴な気がする。

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笑顔が福々しいです。
ありがたや〜

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猿田彦も、後ろのコンクリレリーフも、素晴らしい!!

ここにこれらの作品が置かれるようになった経緯、「家の床の間に飾るつもりで発注したらなぜか1.5tのコンクリ製になってた」っていう豪快すぎる祥雲さんエピソードを知ってから見るのがオススメです。


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まるは食堂から臨む伊勢湾に沈む夕日はとても美しいものでした。
ヒント:コンクリ像はこの写真が撮られた場所のあたりにあります。

タイトルで大海老フライとか言いながら、食べ物の写真が一枚もないんですが、まるは食堂さんでしっかり海老フライもいただいて帰りました。皆さんもまるは食堂に行かれる際にはぜひこのコンクリ像もチェックしてみてくださいね!
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2016. 01. 21  
あけましておめでとうございます。
今年も本サイトは誰も求めていない情報を勝手に掘り下げて、いつの間にか人々から忘れ去られた歴史を少しだけインターネット上に引きずり出すサイトを目指します。

さて、本日の主役は既に本サイトで取り上げたことのある『尾張三大弘法第弐番 開運大師(尾張旭市・昭和6年)』
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名鉄瀬戸線・印場駅からすぐのお寺、良福寺にあるこの大弘法、一体誰が作ったのだろうか。

偉大なるサイト「珍寺大道場」にも掲載されており、コンクリ魂でも作者不詳の大弘法として紹介されている。

この大弘法、素材はおそらくコンクリートである。(追記 ※石像であるという複数の指摘をいただきました。今後検証いたします。)
あまり注目を集めないのは、
・寺の境内にひっそり佇んでいる。
・着色されてない。
・やや小ぶり。
・台座がしっかりした石組みで、ファンキーな部分がない。
これらの理由だろう。
一言で言うと、祥雲作確定作品に比べて「真面目」な作風である。
とにかく地味でインパクトがないのだ。

しかし撮りためた大弘法たちの写真を見比べていた筆者には何かが気になった。

一番気になったのはその表情だ。

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この弘法、よく見ると眉毛や鼻の下の筋もしっかり作られている。
それでは、ほかの弘法シリーズと比べてみよう。

尾張三大弘法第三番・厄除大師(尾張旭市・祥雲作・昭和6年)
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春日井駅前弘法(春日井市・推定祥雲作・昭和7年)
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本サイト初登場、浅野祥雲作・番割弘法大師(中川区・祥雲作・昭和48年)
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こちらも本サイト初登場の姥子山厄除大師(緑区・推定祥雲作・昭和7年)
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慈眼寺弘法(春日井市・尾洲三大弘法第二番?・作者不詳・昭和8年)
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勝川駅前弘法(春日井市・雲岳作・昭和3年)
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そして、今回の良福寺・開運大師
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いかがだろうか。できることならみなさんの頭の中で、全ての着色を剥がして見てほしい。
眉毛の作り込み、鼻の下の筋、そしてどことなく虚ろ気な表情、どれも共通したものを感じるのは私だけだろうか。
開運大師の名に恥じない立派な福耳もお持ちだ。


そしてもう一つ、作者の謎に迫る材料として、台座の裏の銘板をチェックしておきたい。
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この銘板の中の一つ、

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「南区熱田妙安寺」の文字が見える。

この南区熱田妙安寺、現在の熱田区妙安寺がどこにあるか。地図で見てみよう
この場所、堀川沿いのお寺のようである。隣の堀川に架かる橋は「住吉橋」、そして一本南に架かる橋は「瓶屋橋」である。

「カメヤバシ」という名前に聞き覚えのある方は既に相当な浅野祥雲フリークであるとお見受けする。
そう、何を隠そうこのカメヤバシとは、雲岳=祥雲説を裏づける重要な証拠の一つ、岩崎御嶽山の浅野雲岳作の覚明霊神像に刻まれた場所なのである!

この一致は果たしてただの偶然だろうか、それともこの開運大師の作者とこの場所「カメヤバシ」にはなんらかのつながりがあるのであろうか。

この件に関して今の所判明しているのは以上となる。
今後も勝手に調査を続けて新たな証拠を集めたいと思っている。
(※追記 繰り返しになりますが、石像であるという複数の指摘をいただきました。今後検証いたします。)
2015. 11. 01  
さて前2回の記事で『尾洲三大弘法』なる存在を新たに発見し、報告した。

新たなる大弘法の謎 慈眼寺大弘法編
尾洲三大弘法を巡る謎に迫る 春日井駅前弘法再訪編

今回発見した2体の『尾洲三大弘法』、そしてすでに紹介されている『尾張三大弘法』を地図に落としてみよう。
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少し見にくいかもしれないが、赤で示したものがこれまでに発見した「尾洲三大弘法」、紫で示したものが「尾張三大弘法」である。
土地勘のない方のために説明しておくと、この5体は名古屋市の北東部の郊外に位置している。

あらためて、「尾張三大弘法」についてももう一度おさらいしておこう。
名古屋側から名鉄瀬戸線沿線に、
第一番 御花弘法大師(名古屋市・昭和7年)
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第二番 良福寺 開運大師(尾張旭市・昭和6年)
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第三番 退養寺 厄除大師(尾張旭市・昭和6年)
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一方でここまで本ブログで発見してきた「尾洲三大弘法」
第二番 紫金山慈眼寺(春日井市・昭和8年)
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第三番 春日井駅前弘法大師(厄除大師)(春日井市・昭和7年)
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もう一度地図を見てみよう。赤で示したものが尾洲三大弘法である。
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やはり尾洲三大弘法も第二番、第三番は名古屋から近い順になっている。それも鉄道、JR中央線(当時は国鉄)沿いに。
ということは、第一番はどこか。
中央線の駅近くで、第二番、第三番よりも名古屋に近い場所にある場所。第三番と第二番を等間隔で線を結んだ場所は・・・

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黄色い星の場所。ここに何があるか。

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そう、雲岳作、勝川大弘法(昭和3年・春日井市)である。

この時代、戦前の混乱期で資料が極端に少ないため、尾洲三大弘法を示す書類は何も見つかっていない。
あくまで推測であるが、庄内川を挟んでこの6体の大弘法、昭和初期に建てられたこの6体の点が線で繋がるのである。

勝川、春日井駅の大弘法は建設当初、駅からその姿を拝むことができたという。
瀬戸線と国鉄の沿線に建てられたのは果たして計画的だったのか、それともただの偶然か。

地図に見える瀬戸線と国鉄中央線が交わる場所は大曽根駅。そこには瀬戸電の本社があったという。
尾張三大弘法が瀬戸電氣鉄道が関与しているとして、『尾洲三大弘法』はいったい誰の企画だったのだろうか?

謎はまだまだ解けないが、尾洲三大弘法については一旦今回の記事で完結としたい。
そして今後新たな資料が発見されればまた追って報告したいと思う。

(完)

おまけ 記事内に出てきた大弘法と山口悦太郎の寄進による像をマップに落としてみました
2015. 10. 31  
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今日取り上げるのは、すでにこのブログで紹介したJR春日井駅前にひっそりと佇む『春日井駅前弘法大師』(愛知県春日井市)。
林長三郎という人物が昭和2年、国鉄鳥居松駅(のち春日井駅に改称)の誘致に成功。
弘法大師はその後、昭和7年に長三郎が私財で建設したとされている。なお長三郎は明治3年、鳥居松村の有力者の家に生まれた。明治21年には名古屋電燈会社設立の発起人になっており、東京で電気学を研修し、大正9年、村に電灯を引き込んだという。また、村会議員でもあったそうだ。(『春日井の人物』より)

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大弘法前には林長三郎の灯篭も現存している。
この大弘法、尾張旭の退養寺大弘法とソックリであるため、まことしやかに浅野祥雲作といわれるが、証拠はどこにもない。
疑っているわけではないが、銘板や証拠がない以上、祥雲作だと断定すべきでもない。
しかし、なにか証拠はないものか、そう思い再び地元の図書館へ。

そこで重要な文書を発見する。
見つけたのは林長三郎本人の著作『旅乃友』全三巻
その内容は趣味であった旅行と和歌、それに並んで鳥居松駅の開設と大弘法の建設に関しての経緯が記されていた!

そこで見つけた一枚の写真。
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大弘法建設からすぐ後に写されたものと思われるが。
よく見ると写真の右側に『尾洲三大弘法第三番厄除大師』の文字が!!

つまり前回の記事で紹介した尾洲三大弘法第三番はココだった!!!

そして他にも
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尾洲三大弘法第三番厄除大師御和讃
尾洲三大弘法第三番厄除大師の歌!

そしてもう一つ気になる記述が。
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浅野主人之三十餘丈弘法大師大立像作成とある!!
これは新発見ではなかろうか。春日井駅前弘法大師=尾洲三大弘法第三番は浅野氏が作った。
無論、祥雲であるか(もしくは浅野雲岳であるか)は現時点ではわからない。

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とにかく、昭和の初期に作られた「尾洲三大弘法」はいつの間にか製作者の名前と共にその存在は忘れ去られながらも、像はそれぞれが独立して現代にたくましく生き残っているのだ。

そして残された謎は・・・尾洲三大弘法第一番はどこか、ということだ。

(つづく)
2015. 10. 09  
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ここに『瀬戸電鐡沿線御案内』なる書物がある。

瀬戸電気鉄道株式会社は明治39年に開業、昭和14年に名古屋鉄道に合併している。名古屋市東部の方々にはおなじみのいわゆる瀬戸電、名鉄瀬戸線の前身である。

この「御案内」、観光用に作られたパンフレットであり、表はカラーの絵地図、
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裏は白黒の写真と紹介文になっている。

見所はたくさんあるのだが、
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退養寺の大弘法が「尾張三大弘法第三番」として写真入りで紹介されていたり、

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観音寺小野道風像が紹介され、「蓬莱七福神」の一つとして弁財天が紹介されている。
小幡龍泉寺、赤津雲興寺、長久手古戦場などとともにこの二つの像が紹介されているということは、当時は観光資源として価値のあるものだった証拠となるだろう。

ところでこのパンフレット、図書館でも年代不明として収蔵されているのだが、いつ作成されたものだろうか?

退養寺の大弘法が建立されたのは昭和6年3月である。
また路線図を詳しく見ていくと、終点、瀬戸駅から2駅手前に「横山駅」が見える。
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「横山駅」が「尾張横山駅」に名称変更したのは昭和10年6月1日であるから、この御案内は少なくとも昭和6年〜10年の間と考えられる。

そして、絵地図を詳細に観察していたところ、小幡のあたりで不思議な路線を発見した。
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ん?

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龍泉寺鐵道豫定線?

・・・龍泉寺鉄道予定線!!
土地勘のない方に説明しておくと、こんな路線は戦前も戦後も存在していない(龍泉寺周辺には、2001年開業のゆとりーとラインなるバス路線が走っているが小幡−龍泉寺間ではなく大曽根駅発着である)。
しかも存在しない「松河戸駅」や「龍泉寺駅」まで描かれている。

つまり、予定の中では瀬戸電鉄の延伸計画があり、松河戸観音寺尾張三大弘法第一番御花弘法は十分に瀬戸電気鉄道の射程圏内だったことになるのだ。
昭和初期、まだまだ明治から始まった鉄道の建設は過渡期で、様々な計画ができては消える戦国時代だったようである。
名古屋近郊の鉄道会社の覇権争いの一部にコンクリート像が絡んでいるのだ。

やはり鉄道会社とコンクリート像は何かしらの関係がある。前回紹介した小野道風像も、銘板に残る山口悦太郎の単独建立ではなく、祝辞にあった通り瀬戸電のバックアップもあったと考えるのが自然だ。

繰り返しになるが、鉄道会社肝入りの観光パンフに紹介されているということは、浅野祥雲(及び雲岳)たちは、鉄道会社の観光のメインになるコンテンツ(コンクリート像)を作成していたということになるのだ。それだけ価値のあるものを。B級ではなくA級、S級のものを。ということは職人としても相当評価が高かったとも考えられるだろう。
なぜそれほど高い評価を受けていたのか?今はまだわからない。


ちなみに御案内に記載のある「蓬莱七福神」の寺などを少し回ってみた。今のところ新たなコンクリート像の発見はないが、このあたりにも新たな像の発見の手がかりがあるかもしれない。


なんだかどんどん深みにはまっているようなコンクリート像研究。
うまいこと表現できませんが、調べれば調べるほど、昭和初期の名古屋史のメインストリームに近づいていくような気がしてならない。

つづく
プロフィール

つるま

Author:つるま
コンクリ像、歴史、廃線、民間信仰、などなど

写真の撮影や記事の内容には極力留意しておりますが、ご都合悪い場合はお知らせください。

メール bluegrassnagoya@hotmail.co.jp

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