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2016. 03. 01  
謎のコンクリ仏師「福崎日精」を辿るこの企画。
そろそろ完結としたい。

ここまでにわかったこと。
昭和10年代から40年代にかけて、日本全国に巨大仏を建立したと思われる「福崎日精」。
昭和1桁年代に彼が岐阜・恵那峡=大井ダム周辺に複数のコンクリ像を建立した形跡を見つけた。
そして同時期に建立された福崎作風の愛知・長久手のコンクリ仏像、そしてそのコンクリ仏に刻まれた「勝川」の文字。

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実は、インターネット上で「福崎日精」を検索すると、もう一つ情報が出てくる。
それは春日井市の勝川小学校という場所に二宮金次郎風のコンクリート像を建てている、というものだ。
http://kinjiro.a.la9.jp/katigawa.htm(二宮金次郎像サイト)
小学校という場所柄、自分ではまだ潜入出来ていないが、この二宮金次郎像を異常に網羅したサイトのおかげで、東海地方の金次郎像はほぼ確認することができる。本当にありがたいサイトである。

それによれば、この金次郎像を寄贈したのは「勝川大弘法の山口氏」だというのだ。

地元の郷土史にも、
郷土誌かすがい 第70号
昭和22年ころ、勝川大弘法の山口弘山さんが、台座だけではさみしいということで、戦後の社会風潮を反映させて、鍬をついて一休みしながら読書する少年像を寄贈した。この制作者は、信貴山(奈良県)で修業した僧・仏師として活躍された福崎日精氏で、春日井市内でコンクリート像をいくつか制作して、その出来ばえのよさが注目されている人である。
http://www.city.kasugai.lg.jp/bunka/bunkazai/kyodoshikasugai/kyoudoshi70.html

とある。「弘山」=「悦太郎」かどうかは判然としないものの、勝川大弘法といえば山口悦太郎氏が建立した雲岳作の大弘法である。

DSCN1123.jpg

昭和22年の時点で、建立者の山口氏と福崎日精はなんらかの関係を持っているのだ。


さて、現在の勝川の大弘法に何かヒントはあるか。

大弘法の足元にいるのは、祥雲の作風を備えた不動明王。
IMG_6201.jpg

そしてその隣に、
DSCN3380.jpg
白衣観音像がいる。

銀色に輝くこの観音像は、最近塗り直されたのか、綺麗な色をしているため、その本来の特徴はわからない。
が、よく見ると
DSCN3385.jpg
細かな意匠が凝らされていたり、

DSCN3381.jpg
細長い足の指をしていらっしゃる。

ここで、一つの参考サイトを見ていただきたい。
いつもお世話になります。
珍寺大道場 勝川大弘法/春日井市
 である。
サイトのこの記事を見ると、10年ほど前までは、白衣観音はもともと着色されていないコンクリート像だったことがわかるのだ!
これは隣の不動明王+二童子も同じである。

もう一度現在の白衣観音を見てみる。
DSCN3380.jpg
よく見ると、これまで見てきた福崎作品に共通する衣服の細かなシワの表現、浮き上がるような薄い袖の表現を見ることができるのだ。

この像が建立された年は明らかになっていない。

二宮金次郎像の記録からすると、いつの頃からか山口氏と福崎日精にはつながりがあった。
そこから考えると、この像が福崎作品である可能性はある。

とするとだ。

雲岳と福崎日精、二人のコンクリ仏師はこのあたりの場所、時代でなんらかの関係を持っている可能性がある。


とすればさらに。1年ほど前に書いたこの記事。
2015. 01. 23 浅野祥雲の謎を追え 恵那峡弁財天編 4/5

雲岳作が確定している春日井・観音寺の弁財天と、
IMG_1687.jpg

恵那峡=大井ダムの福崎日精作のコンクリ像の中心にいる、作者不明の弁財天
5.jpg

この2つのコンクリ像が同一人物の作品だとしても、なんの不思議もないことになるのではないか?

なんと、浅野祥雲を追いかけていたはずが福崎日精に取り囲まれ、福崎日精を追いかけていたはずがいつの間にか雲岳が現れる結果になっってしまった!


いずれにせよ、まだまだ分からないことは多い。
なぜか、どこにも記録は残っていないし、残されているのは像だけだ。
ここに書いたことは、別々の場所に建てられた複数のコンクリ像を見てきた筆者の仮説であり、妄想である。
どこにも証拠はないし、今後、まったく違う事実が判明するかもしれない。それならそれでいいと思う。

ただ。長いことコンクリ像を追いかけてきて、これだけは言える。
少なからず昭和初期のコンクリ像はお互いに影響し合っている、気がする。
それはまたおいおいこのブログで紹介していきたいと思っている。

さて、予定より大幅に長くなってしまったが、福崎日精編を一旦完結としたい。
ご静聴ありがとうございました。




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