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2016. 09. 24  
琵琶湖のほとりに「長浜びわこ大仏」なる28mの大仏がある。
そのことは知っていたのだが、平成になってから建てられたものであり、積極的に観に行くほど自分の興味の範疇ではなかった。

しかし。
実は、今のびわこ大仏は2代目で、初代のびわこ大仏こと護国阿弥陀如来は昭和12年に完成したコンクリート製なのだという。そして、残念ながら既に平成4年に取り壊されてしまった。

昭和12年・・・このブログで追いかけているコンクリート像たちと何か関係があるのか?
そう思って調べてみる。だが、いつもながらその作者についてはいくら調べてもネット上には出てこない。

うーむ、昭和初期、コンクリート、滋賀・・・。
調べていくうちに、一つの仮説を思いついた。


しかし、断定するには情報が少なすぎるなあ。

そこで、居ても立ってもいられず、筆者はびわこ大仏のある長浜に飛んだ。

IMG_8847.jpg
ということで長浜。
平安山良畴寺(りょうちゅうじ)というお寺に建つこの大仏。
琵琶湖を背に立つ28mの巨像はやはり圧巻である。
しかし、今日の主役はこの像ではない。


この大仏の台座から中を拝観させていただいた。すると、初代びわこ大仏・護国阿弥陀如来の写真が飾られていた。
IMG_8876.jpg

27mあったというこの大仏。建立されたのは昭和12年。
今と違って高い建物のない時代、こんなものが琵琶湖のほとりに建立されたというのは、とんでもないことだったんじゃないだろうか?

IMG_8879.jpg
にしても個性的なお顔とフォルムである。

そして、足元にあるこの香炉。
こうろ

少し話は戻るが、ネットで幾つか、このびわこ大仏の訪問記を調べている時に、この香炉の写真を見かけた(参考:日本珍スポット百景)。
ということは、初代のびわこ大仏は壊されてしまったが、香炉だけは現存するのか?

そこで境内を散策すると、

あった。
IMG_8906.jpg
コンクリート製香炉だ。

私が特に気になったのはその土台。
IMG_8908.jpg
この香炉の土台の表現、既視感があったのだ。
どこかで見たぞ・・・むむむ・・・

思い出した。そうだ。恵那峡周辺のコンクリート像群だ。
とくに、高徳寺の境内にあった剣持弘法、その土台に酷似してる。
IMG_4974.jpg IMG_4984.jpg
恵那峡 高徳寺 剣持弘法


とすると・・・大仏の作者は・・・?
そう考えてから、再び初代びわこ大仏の写真を見てみる。
IMG_8876.jpg

そういえば、この立ち姿もどこかで見たぞ。
むむむむ・・・

そうだ。
naga_2.png
喜婦嶽阿弥陀佛(愛知県長久手市)

そして
IMG_6055.jpg
恵那峡・高徳寺 蛙薬師(岐阜県中津川市)

顔の大きさは全然違うのだが、衣服の表現、そして、長久手の喜婦嶽阿弥陀佛に関しては、その腕の表現までがそっくりではないか?

そして、それらの像の作者は・・・
nissei_2.png
福崎日精!!

福崎日精はこのブログでも何度か取り上げた、昭和6から44年ごろまで全国にコンクリート大仏を立てている謎の人物。
とくに、恵那峡周辺には昭和6〜7年にかけて像を作りまくっている
そして、恵那市史によれば、滋賀県醒井の地蔵院の僧(文献により諸説あり)であったという記述がある。


初代びわこ大仏が建てられたのは昭和12年、場所はもちろん滋賀。
つまり、活動時期、活動場所とも見事に重なるのである。

これって、ひょっとして戦前大仏史上の大発見なのでは?
しかし、まだすべてが仮説(妄想)に過ぎない。

そこで、この仮説を立証するため、良畴寺の本堂を訪ねようとしたところ、その手前で一体の像が目に入った。


IMG_8852.jpg IMG_8834.jpg
このコンクリート像、ヒビが入っているが、やけに細かい造形、このふくふくしいお顔。
むむむむむ、これは、恵那峡周辺のコンクリート像群と共通する表現ではないか。やはり作者は・・・。

そして、意を決し、本堂を訪れ、住職に尋ねた。


私「すみません、びわこ大仏さんの以前に建っていた大仏をつくられた方ってひょっとして・・・」

住職「ああ、福崎さんのことですか」

・・・・!!

(後編へつづく)
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