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2016. 10. 02  
「護国阿弥陀如来は福崎日精さんがお造りになられました。」
住職は優しく教えてくださった。

やはり、昭和12年に完成した護国阿弥陀如来は福崎日精の作だった!!
IMG_8876.jpg
それにしても個性的なお顔立ち。

なんでも、先々代の住職(現住職のおじい様)と福崎氏が東京での修行時代にお友達で、いつか大仏を建ててもらう約束をしていたのだそう。
その後、縁あって先々代は滋賀・良畴寺の住職となり、像の建立が計画された。
その像は、奈良の大仏よりも大きな、日本一の大仏にするため、立像としたのだという。
実際に昭和8年ごろから建立が始まり、地元財界やセメント会社など、檀家の協力もあって、昭和12年に大仏は完成した。

そして、現住職に見せていただいたのは貴重な写真の数々。
なんでも、先々代は几帳面な性格だったらしく、当時の写真はアルバムとして残されているのだという。

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建立直後の護国阿弥陀如来の写真

今まで知られていた写真と姿が違う!!そこには見事な光背が備えられている。
背後に見えるのは日本一のキング・オブ・レイク、琵琶湖である。
なお、観音の足元の賽銭箱の前に見える小さい黒い影が人である。そのスケール感、感じていただけるだろうか。

そして右下に見えるのは前回紹介した現存するコンクリ観音像。
IMG_8852.jpg
こちらの像もやはり、福崎日精の作なのだという。
ただ、現在劣化が進んでおり、修復も考えているが、技術が独特すぎて修復できる人間がいないのだという。
初代のびわこ大仏についても修復を検討したが、劣化が激しく、泣く泣く現在の二代目に立て替えたそうだ。

そしてアルバムには建設中の貴重な写真も!
IMG_8896.jpg
建設中の土台で記念写真

戦前のものが不足した時代。(セメントや鉄骨の入手方法もお聞きしたが、これはまた後々戦前大仏研究の参考になりそうなお話だった)。
とにかく、地元の人々も含めて、たくさんの檀家、信者さんの協力のもとに大仏は作られたそうだ。

そして、極め付けはこの写真!!
IMG_8889.jpg
建設中の護国阿弥陀如来のお顔、おそらく金色に塗られた白毫、そして・・・

大仏の隣の白装束、メガネ、ヒゲの人物が『福崎日精』なのだという!!
ついに、謎のコンクリ仏師・福崎日精のご尊顔が判明!!

そして、やはり、以前の記事で筆者が予想した人物は福崎日精氏であった!

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恵那峡坐り弘法像

さて、先ほどの大仏の写真を拡大してみる。
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中央のヒゲメガネの人物が福崎日精氏、そしてその右隣は弟子のニッシュウ氏なのだという。

福崎氏は生前、こちらのお寺の先々代とずっと家族ぐるみの交流があり、日本各地から便りが届いたとか。

寺に今も現存する香炉は昭和27年に福崎氏に作ってもらったものだそうで、大仏とは製作年が異なることも判明。
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なんでも福崎氏はものすごくストイックな、信心深い浮世離れした人物で、日本全国を行脚し大仏を建立したのだそうだ。
現住職も子供時代にお会いしたことがあるそうで、その頃にはヒゲも真っ白だった記憶があるという。
おそらく生まれは先々代と同時期の明治35年前後、そして、福崎氏は新潟でその生涯を閉じたという事実も判明。
つまり、おそらく新潟の弘法大師がその遺作ということになると予想される。

ついに、謎のコンクリ仏師の足取りを知る人物にお会いすることができた。そして、福崎日精大仏建立ヒストリーの1ページを垣間見ることができた。


改めて考えてみる。
どうだろうか、これでもなお、昭和初期のコンクリート大仏はB級スポットなのだろうか。
建立当時の人々とコンクリ仏師の熱い気持ちを思い浮かべると、とてもそんな風には思えない。
太平洋戦争と長い昭和の時代を経て忘れ去られてしまった記憶。

現在残された昭和初期のコンクリート大仏を通じてそうした記憶を掘り起こし、現代を生きる我々がその建立という偉業を再評価するべき時期に来ているのではないだろうか。

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Author:つるま
コンクリ像、歴史、廃線、民間信仰、などなど

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